フェイク 第437号 2003年(平成15年)1月27日(月)
殺人犯の顕正会最高幹部に判決
狂信の結末、「家族の苦痛、将来へ悪影響が大」と


 高知市で昨年6月に起きた母娘殺傷事件で殺人及び殺人未遂罪などに問われた顕正会(会長=浅井昭衛)の最高幹部・宇高明男(49歳)の判決公判が 22日、高知地方裁判所で行われ「人命の尊さを顧みない陰惨な犯行で酌量の余地はない」と懲役15年が言い渡された。判決によると、宇高は同市横内の小路千恵子さん(当時55歳、顕正会員)に対する結婚願望を募らせ、明白な返事がない場合は殺害しようと考えた。一方、小路さんは交際を解消しようと転居の準備を進め、昨年6月14日夜には高知警察署に相談。その直後の15日未明、宇高は小路さん方を訪れて面会を求めたが、断られたため、小路さんの三女(35 歳)の首などを剪定ばさみで刺して重傷を負わせ、小路さんの胸などを刺して殺害した。裁判長は「千恵子さんに対して一方的に結婚願望を募らせ、意のままに従わせようとした自己中心的な犯行だ。極めて強固な殺意で惨殺された被害者の苦痛、恐怖は察して余りある」と厳しく指弾。その上で、「何の落ち度もない三女やその家族らへの精神的苦痛も大きく、将来にも悪影響が懸念される。深夜の住宅地で起きた犯行で近隣住民や社会に与えた影響も大きい」と量刑理由を述べた。

 判決言い渡しの後、宇高は傍聴席の遺族らと目を合わせることもなく退廷した。顕正会関係者によると「宇高被告が死刑ではなく、懲役15年というのは功徳だ」と囁き合ったという。常識では考えられないことだが、これが顕正会の狂った信仰だ。

 近年、浅井昭衛に煽動された顕正会員により強引な勧誘、暴力行為、拉致・監禁、不法侵入など悪辣な事件が各地で頻繁に起こり、極めて危険視されていたが、遂に殺人・同未遂という凶悪事件に発展したことで同会に対する恐怖は一段と広がるものと思われる。

 宇高は昭和55年、顕正会に入会。以来、浅井に洗脳され人々を不幸に陥れる勧誘に狂奔し、男子部時代は第13隊長も務めた。

 平成6年6月、壮年部の高知地区部長に就任した宇高は四国の最高幹部となった。同年7月3日、高知会館を訪問した会長の浅井が宇高を呼び寄せ「高知会館を全面改修するように」と指示。浅井と宇高の二人の関係は、これほど親密なのた。

 ところで、小路さんと宇高が出会ったのも顕正会の活動がきっかけで、宇高は数年前、小路さんが家族の病気で悩んでいた弱みに付け込んで勧誘。集会に連れ立って参加するうちに深い関係になった。これが最悪の事件に結び付いた。顕正会の活動こそ一切の不幸の原因となる。
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